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第3章 女僧侶「皆の力を貸して欲しいのです」

1 :代理 [sage]:2008/10/26(日) 03:41:20.73 ID:IkhLswg0
■ 冒険の書(前々回ログ)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/souryo_yuukiwodasite_thre.html

■ セーブのメモ
・女僧侶 Lv29 まほうのほうい、ぎんのかみかざり、
 まほうのたて、モーニングスター
(ホイミ、ニフラム、すなかけ、ピオリム、
 てんしのちゅー、マヌーサ、ラリホー、キアリー、バギ
 マホトーン、おせっきょう、ベホイミ、ザメハ、
 キアリク、ルカナン、ぱふぱふ、バシルーラ、ザキ、
 ザオラル、バギマ、しんじるこころ、ザラキ)

・盗賊 Lv29 くろしょうぞく、くろずきん、まほうのたて
 ほのおのブーメラン、ゆめみるルビー
(おもいだす、タカのめ、フローミ、とうぞくのはな、みがわり
 しょくりょうさがし、アバカム、しのびあし、レミラーマ、
 メタルぎり、あきらめないこころ)

・女魔法使い Lv8 マジカルスカート、とんがりぼうし、
 まふうじのつえ、スライムピアス
(メラ、スカラ、ヒャド、ギラ、きょうはく、スクルト、
 リレミト、ことばぜめ、イオ、ボミオス、ルーラ、
 ベギラマ、マホトラ、スターライトブレイカー(メラミ)
 でまかせ、インパス、トラマナ、ヒャダルコ
 バイキルト、イオラ、マホカンタ、ラナルータ
 あこがれるこころ)

2 :代理 [sage]:2008/10/26(日) 03:42:15.44 ID:IkhLswg0
■ あらすじ
 毎日ルイーダの酒場での就職活動でよどんでいた
 女僧侶はVipの相談スレの励ましを受けて旅立った。
 面倒見の良い姉御肌の女盗賊、腹黒ロリ&ボクっ娘の
 女魔法使いという仲間を得る女僧侶。
 盗賊の幼なじみである勇者を追いかける冒険の日々だが
 ひょんなことからアッサラームで就職してしまった
 女僧侶を残して二人の仲間は旅を続けることに。
 寂しさの中で自分にとっての大事なもの、仲間を
 思い出した女僧侶は二人を追いかけて新しい旅を
 開始する。ポルトガで再開を果たした三人は船を
 手に入れ世界各地へ情報をあつめ、やがてレイアム
 ランドで勇者と邂逅を果たすのであった。
 しかし三人を振り切ってバラモス城へとラーミアで旅立つ勇者。
 三人の旅はここがゴールなのか?
 Vipのスレに相談しながら冒険する無職女僧侶の冒険っ。


■ 楽しむためのお供
冒険気分の地図アプレット
http://labs.smartnetwork.co.jp/dqmap/dq3/


第2章 女僧侶「やっぱり相談に乗ってくださいっ」を見に行く


僧侶3-269top

2 :代理 [sage]:2008/10/26(日) 03:42:15.44 ID:IkhLswg0
■ あらすじ
 毎日ルイーダの酒場での就職活動でよどんでいた
 女僧侶はVipの相談スレの励ましを受けて旅立った。
 面倒見の良い姉御肌の女盗賊、腹黒ロリ&ボクっ娘の
 女魔法使いという仲間を得る女僧侶。
 盗賊の幼なじみである勇者を追いかける冒険の日々だが
 ひょんなことからアッサラームで就職してしまった
 女僧侶を残して二人の仲間は旅を続けることに。
 寂しさの中で自分にとっての大事なもの、仲間を
 思い出した女僧侶は二人を追いかけて新しい旅を
 開始する。ポルトガで再開を果たした三人は船を
 手に入れ世界各地へ情報をあつめ、やがてレイアム
 ランドで勇者と邂逅を果たすのであった。
 しかし三人を振り切ってバラモス城へとラーミアで旅立つ勇者。
 三人の旅はここがゴールなのか?
 Vipのスレに相談しながら冒険する無職女僧侶の冒険っ。




21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 14:49:26.71 ID:1ADtgHEo

――ラーミアの背中で

びゅうううーっ

勇者「……」
幼竜王「……」

勇者「すげぇな」
幼竜王「はいでつ」

勇者「すげぇ高い。おい、アリアハンだ。あんなに小さいぜ」
幼竜王「はいでつ」

びゅうううーっ

勇者「……」
幼竜王「……」

勇者「寒いなー。メシもってくりゃよかったな、りゅうおー」
幼竜王「……いいんでつか?」

勇者「はん?」
幼竜王「あれで、よかったでつか?」



22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 14:49:38.94 ID:1ADtgHEo

勇者「いーんだよ。あんなやつら足手まといさ」
幼竜王「……」

勇者「そもそもさ、俺はこの世界が嫌いだし、
 生きてる人間はみんな嫌いなんだよ。嫌いだから
 こちとら引きこもりやってんだっての。
 勘違いしちゃいけないぜ。
 こっちからお断りだからやってるんだぜ?」

幼竜王「……」

勇者「……だってさ」

幼竜王「?」

勇者「あはははっ。あはははっ」

勇者「持ってるんだよ。俺はCapture Codexを!

 『世界の書』、『攻略本』をなっ。判るのさ。
 アイテムの場所も、敵の強さもっ。やまびこの笛?
 いらないね。オーブの場所なんて始めっから判ってたよ。
 メタルスライムでレベルを上げて、すごろく場で
 儲けるのだって簡単さ。知ってるんだからな」
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 14:49:50.61 ID:1ADtgHEo
勇者「バラモスはさ。地上の魔王だ。
 地上の魔王でしかないんだぜ。
 この後どうなるか知ってるか?
 勇者一行は、バラモスを倒す。しかし本当の大魔王は
 ゾーマって云うんだ」

勇者「ゾーマは地下世界から地上侵攻を狙っている。
 バラモスより何十倍も強いやつさ。
 勇者は……。
 勇者たちは、ゾーマと戦うために『ギアナの大穴』から
 その身を投げる。地下世界へ行くために」

勇者「地下世界へたどり着いた勇者一行はその地でも
 冒険を繰り広げてゾーマを倒す。
 ゾーマを滅ぼして、二度とこのようなことが起きないように」


勇者「地上への穴をふさぐんだ


幼竜王「え……」

勇者「帰れないんだ。一方通行なんだよ」



24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 14:50:02.56 ID:1ADtgHEo

勇者「だから。勇者は一人じゃなきゃいけない」

勇者「故郷に戻れない勇者は、俺でなきゃいけないんだ。
 勇者になるのは、引きこもりの俺が一番なんだ。
 俺はこんな世界大っ嫌いだ。
 こんな世界に住んでるやつで好きなやつなんて誰一人いない。
 この世界は猫のうんちだよ。
 勇者がいなくなって、勇者がいなくなることで
 猫のうんちとして続いていくんだ。
 なら俺は猫のウンチみたいに捨ててやる」

幼竜王「勇者?」

勇者「『ここに居ていいよ』だって? 甘えたこと抜かすなよ。
 そんな場所があるヤツは、この世界で平和に暮らせばいい!
 灯すべき明かりを灯し、暖かい布団を暖め、
 美味しいご飯を家族と一緒に美味しく食べやがれ!
 俺は地下世界へ行く。
 この世界には勇者は居なくなる」

勇者「ある日を境に魔王が消えて、魔物はゆっくり去っていく。
 みんなはコンビニのおでんをつつきながら『そういえば
 魔物なんて出てたときもありましたね』って話し合うんだ。
 勇者の事は誰も思い出さない。そんなものは初めから
 いなかった。そういう世界になるんだ。
 そういう世界で平和につつましく生きていやがれっ」

幼竜王「勇者ぁ」



25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 14:50:24.52 ID:1ADtgHEo

勇者「俺は……。だから……」

(……ボクもお嫁さん候補にしてくださいです)

勇者「あんなやつら」

(その一箇所だけなら、守れるかもしれないから)

勇者「あんな弱ちいやつら」

(それであたしを連れて行くんだっ。
 あんたが行くところならどこまででもなっ)

勇者「大っ嫌いだっ……」

びゅうううーっ

幼竜王「……ぅぅ」
勇者「……」

びゅうううーっ

勇者「見ろよ。あの霧の中に……
 バラモス城があるんだぜ」



26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 14:51:10.87 ID:1ADtgHEo

――レーベの村、盗賊の家

盗賊「……」
女僧侶「盗賊さん」

盗賊「……」
女魔法使い「盗賊のお姉ちゃん……」

女僧侶「……」
女魔法使い「ご飯、ここに置いておくのです」

盗賊「……」

ぱたん

女魔法使い「お姉ちゃん、辛そうです」
女僧侶「うん。そうだね……」

女魔法使い「……」
女僧侶「……」

女魔法使い「もう……終わりですか……」
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 14:51:24.18 ID:1ADtgHEo
女魔法使い「ボクたちの旅はここがゴールですか……」

女僧侶「……」

女魔法使い「ここが、ボクの『いていい場所』なんでしょうか?
 ボクは……幼いときの記憶とか……
 あんまり覚えてないので……。
 自信がなくて……」

女僧侶「……」

女魔法使い「ここは魔物が少なくて……。
 今までいた中では一番安全だとは、思うのです。
 僧侶のお姉ちゃんもいます。
 元気が無いけれど、盗賊のお姉ちゃんもいます。
 お布団は暖かいし、ご飯も美味しいのです」

女僧侶「……」ぎゅぅっ

女魔法使い「だから、たぶんこれは『幸せ』だと。
 そう呼ぶのですよね?
 安全で、布団があって、ご飯があって。
 そういうのを『幸せ』っていうんですよね。
 だから、これがゴールなんでしょうか」



28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 14:51:41.77 ID:1ADtgHEo

女僧侶「……」

女魔法使い「それなら笑ったほうが良いですよね。
 笑うのって余り得意じゃなくて。でもこの間までは
 ちゃんと出来ていた気もするんですけど……。
 あの、僧侶のお姉ちゃんも元気……出し……」

女僧侶「よっしっ!!」

女魔法使い「え? ……え?」

女僧侶「終わりじゃないよ」にこ

女魔法使い「あ……」

女僧侶「ここはゴールじゃないよ。盗賊さんがあんな
 顔をしている此処は絶対にゴールなんかじゃないです」

女僧侶「わたしは知ってます。お仕事があったって、
 ご飯があったって、寝る場所があったって、
 それだけでゴールなんかにはならないって」

女魔法使い「僧侶のお姉ちゃん……」



30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 14:53:05.46 ID:1ADtgHEo

ドンドンドン、ガチャ

盗賊「……僧侶」

女僧侶「盗賊さんっ。盗賊さんっ」
盗賊「……」

女僧侶「朝ですよ。もう、起きてくださいっ」
盗賊「……なんだよ」

女僧侶「何を寝ぼけた事を言ってるんですか。
 しゃきっとしてくださいよ。こんなとこで終るつもりですか」
盗賊「……」

女僧侶「いままでだって諦めなかったじゃないですか、
 盗賊さんは勇者さんをずっとずっと追いかけてきたんでしょっ」
盗賊「放っておいてくれよ。……あいつは、あたしのこと
 いらないって……。いらないって云ったんだ」

女魔法使い「お姉ちゃん」

女僧侶「それがなんだって云うんですかっ!」
盗賊「っ!」

女僧侶「自慢じゃありませんが、わたしは無職ですよっ。
 『お前なんて役立たずだから要らない』なんて、
 そんなのルイーダの酒場で何千回も経験済みですよっ」



31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 14:54:13.86 ID:1ADtgHEo

女僧侶「そんな事は関係ないんです。
 どうだっていいんですっ。
 別にそんなこと言われたって、何も終ったりしません。
 わたしが終わりだって信じたら終っちゃうんです。
 わたしはあの砂漠に教えてもらいました。
 スレの皆にも教えてもらったんです。
 『追いかけてもいいんだ』って。
 『苦しくてもいいんだ』って。
 だからわたしは信じるです。こんなところで
 終るはずは無いって」

盗賊「仕方ないだろうっ! ラーミアはもういないんだ。
 あたしたちには追いかける方法が無いんだっ。
 あいつは一人で。一人で行っちゃったんだっ」

女僧侶「……ガルナの塔で盗賊さんが言っていました。
 『それでもいいんだ。行き止まりって云うのを
 確認したのが大事なんだよ。いっこづつ潰していけば
 ゴールに近づく』って。わたしはいつもマヌケで、
 何も上手に出来なくて失敗ばかりで。
 でもあの言葉で救われたんです。
 無駄なことなんて、何も無いんだって」



32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 14:55:06.27 ID:1ADtgHEo

盗賊「わたしは、力が出ないよ。僧侶……」

女僧侶「……」むぎゅっ
盗賊「……」

女僧侶「はいです。……わたし達が先に行ってます」
盗賊「……ううっ」

女僧侶「はやくしないと、取っちゃいますよ?」ぎゅ

盗賊「だめだよ。だって、ラーミアはっ、もう……」

女魔法使い「それでも、です」

女僧侶「遅れちゃ、メッですよ」
盗賊「……」

女僧侶「行ってきます。わたし、信じてるから」
女魔法使い「ボクだって。デートが途中だったのです」

ガチャリ

盗賊「うぅぅ……」

盗賊「……勇者ぁ」



33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 14:57:18.64 ID:1ADtgHEo

1 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします

 わたしは女僧侶をしています1です。
 前にスレに助けてもらいました。やっぱり今も無職です。

 盗賊さんの元気が無いです。無理もないと思います。
 勇者さんはバラモス城に一人で向かってしまいました。

 わたしはこんなところはゴールはいやです。
 確かに安全だし、ご飯も寝るところもあるけれど
 こんなところでじっとしていたら、
 砂漠を歩いて渡る必要なんて無かったと思うんです。

 盗賊さんは今は立ち上がることが出来ませんけれど
 きっと歩き出すと思います。
 だから、その時のために、わたしは魔法使いちゃんと
 二人で出かけるつもりです。
 スレで教えてもらった、ネクロゴンドにいきます。
 ネクロゴンドの洞窟を抜ければバラモス城が見えるそうです。

 勇者さんを追いかけたいです。でも、ラーミアはありません。
 わたしたちの実力はまだまだです。
 皆さんの力を貸して欲しいですのです。

女僧侶「……送信、です」



38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 15:02:53.12 ID:1ADtgHEo

――バラモス城を見上げる森の中

勇者「たっだいま。っと」
幼竜王「おかえりでつ!」

勇者「ちゃんと準備できてるかー?」
幼竜王「はいでつ。焚き火も集めて、火もおこしたでつ」
勇者「上出来だ」
幼竜王「今日のご飯は何でつか?」

勇者「じゃーん。林檎っぽい木の実と、ウサギっぽい肉と、
 良く判らないけど食べられそうな葉っぱ~!」
幼竜王「わーい!」

勇者「……むぅ、もちっと文明の香りがする食い物が良かったな」
幼竜王「そうでつか?」

勇者「まぁ、いいか」
幼竜王「そうでつ!」

勇者「りゅーおー、肉やいてくれよ」
幼竜王「はいでつ!」

ぼぼぼぼ~

勇者「おー。上手上手!」
幼竜王「おまかせでつ!」



39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 15:03:20.24 ID:1ADtgHEo

勇者「む。こりゃ、なかなか!」
幼竜王「美味しいでつ!」

勇者「下味に胡椒をしたのが良かったな」
幼竜王「はいでつねー……」

勇者「?」
幼竜王「じゃーん。ボク醤油かけたのでつ!」

勇者「あっ。くそ、羨ましいな」
幼竜王「うへへへ~」もきゅ、もきゅ♪

勇者「負けないぞ。じゃーん!」
幼竜王「?」

勇者「俺は一味マヨネーズぅ!」
幼竜王「あ、美味しそうでつ!」

勇者「もぐもぐ。……んまぁ~い!」
幼竜王「むーむー」

勇者「なんだよ。羨ましいのか? ん?」
幼竜王「羨ましくなんかあるでつ」

勇者「んじゃ、ひとくちやるよ。ほれ」
幼竜王「あむっ♪ もきゅ、もきゅ……美味しい~!」
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 15:03:37.17 ID:1ADtgHEo
勇者「なんだなー。外食事も悪くないな~」
幼竜王「はいでつねー。おなかいっぱいでつ」

勇者「なんだよ、びろーんと伸びやがって」
幼竜王「勇者の膝の上は居心地いいでつ」

勇者「態度でかいなぁ」
幼竜王「うへへ」びろーん

勇者「……」
幼竜王「スマブラないのが残念でつねー」
勇者「そうだなー」

幼竜王「……勇者ぁ」
勇者「なんだ?」

幼竜王「勇者は世界嫌いなのでつけど、ヒッキーはお部屋が
 全部だって言ってたしお部屋も嫌いでつか」
勇者「あー」

幼竜王「ユウシャバーグで一年間もお部屋にいたでつよ。
 スマブラしてマリオギャラクシーしてボクに隠れて
 こっそりエロゲもしたでつよ」
勇者「うっさい!!」

幼竜王「ジャンル広すぎてボク一年たっても
 勇者の好み判らないでつよ」
勇者「それはほっておけ!!」
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 15:04:50.88 ID:1ADtgHEo
幼竜王「お部屋もダメでつか」
勇者「いや、そんな事は無いよ」
幼竜王「?」

勇者「部屋ってのは引き篭もりにとっての
 サンクチュアリだからな。自室が嫌いだとそもそも居られないし。
 部屋は好きだよ。ってか、好きなように改造するな」
幼竜王「ふむー」

勇者「こうして考えてみると、部屋ってのは俺が
 好きな世界だな。なかなか哲学的テーマだぜ」

幼竜王「おなかが一杯だからそんな気分なだけでつよ」びろーん

勇者「そういやそうだな。あはは」
幼竜王「うへへ~」にこっ

勇者「悪いな。こんなとこまで引っ張り出してよ」
幼竜王「……そだ」むくり

たたた! ガリガリガリ! ガリガリガリ!

勇者「どうしたんだよ、棒で地面穿り返して」
幼竜王「じゃーん! 地面に四角を書いたのでつ!」

勇者「見りゃ判るけどさ」



42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 15:05:50.38 ID:1ADtgHEo

幼竜王「この中は、勇者のお部屋でつ~」
勇者「おー!」

幼竜王「ここは勇者のベッドでつ」
勇者「具合のいい草むらか」

幼竜王「ここがボクのベッドでつ」
勇者「って俺の腹の上かよっ」

幼竜王「こっちが食卓でつ」
勇者「焚き火の前なだけだろっ」

幼竜王「おかえりなさいでつ!」
勇者「お、おう。……ただいま、だけど」

幼竜王「わーい! 勇者のお部屋! 勇者のお部屋!」
勇者「何はしゃいでるんだかなぁ」

幼竜王「勇者のお部屋を半分こっ!」
勇者「完全に占拠されてる気がするぜ」

幼竜王「おかえりなさーいと、ただいまでつ」
勇者「何がそんなに嬉しいんだ?」

幼竜王「なんでもないのでつ♪」



58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 15:53:22.13 ID:1ADtgHEo

――ネクロゴンドの洞窟、入り口

女僧侶「ここだよね、魔法使いちゃん」
女魔法使い「そうです。緯度も経度もあってますです」
女僧侶「ううう。なんだか寒いね」
女魔法使い「冷気というより、瘴気ですね」

女僧侶「うん……」
女魔法使い「強力な魔物の発する毒気が、
 あたりの熱を奪っているようです」
女僧侶「この大きな門が、ネクロゴンドの洞窟の入り口なんだ」

女魔法使い「はいです」

女僧侶「……」
女魔法使い「怖いですか?」

女僧侶「こ、怖くなんかないですよ?」
女魔法使い「勇者はシルバーオーブを持っていました。
 ということは『地獄へと続くほこら』すなわち、
 このネクロゴンドの洞窟を一人で踏破したと考えられます」

女僧侶「うん。つまり、少なくとも、二人係りでここを
 乗り越えられないようじゃ、勇者さんを追いかけても、
 無意味ってことだよね」

女魔法使い「はいです」



59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 15:53:42.91 ID:1ADtgHEo
――ネクロゴンドの洞窟、1F

女僧侶「こ、これはなにかな。なにかな」
女魔法使い「どうやら、死者を祭った霊廟のようですね」

女僧侶「うん……。でも、悲しくて辛い想いしか感じないよ」
女魔法使い「きっと、魔王の影響です」

女僧侶「……」
女魔法使い「……」

女僧侶「……暗いね」
女魔法使い「はい。……僧侶のお姉ちゃん?」

女僧侶「はい?」
女魔法使い「盗賊のお姉ちゃんは、大丈夫ですよね?」

女僧侶「うん。……今はちょっと休憩しているだけ。
 きっと追いかけてくるよ。大丈夫だよ」

女魔法使い「はいです。ボクもがんばるのです!」
女僧侶「その意気だよ!」

ザックザックザック

女魔法使い「何か来ますっ!」
女僧侶「気をつけてっ」



60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 15:54:35.93 ID:1ADtgHEo

[トロル が あらわれた!]
[トロル が あらわれた!]

女僧侶「巨人?」
女魔法使い「うわ、なんだか頭が悪そうですっ」

トロル「うぎゃぁぁーおぅ! うっほうっほ!」

女僧侶「……悪口云われたのは判るらしいよ?」
女魔法使い「失言でした」

[トロルの こうげき! 魔法使いはたたきのめされた!]

女魔法使い「はぅっ!! こ、こいつ、すごく強いですっ」
女僧侶「ベホイミっ!! って、トロル臭い~!?」

トロル「ギャッフギャッフギャッフ!」

女魔法使い「そういう魔物には、これですっ! メダパニ!!」

トロル「……? へけ? へけけ! へけけけ!!!」

ちゅどん! ちゅどん!!



61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 15:55:12.77 ID:1ADtgHEo

[トロルの こうげき! トロルはたたきのめされた!]
[トロルの こうげき! トロルはたたきのめされた!]

女僧侶「な、何の呪文なの!?」

女魔法使い「ふふふ。混乱の呪文なのです。
 敵も味方も判らなくなるのですよ。お馬鹿にはよく効くのです」

女僧侶「魔法使いちゃん、すごーい!」

[トロルの こうげき! トロルはたたきのめされた!]
[トロルの はんげき! トロルはもっとたたきのめされた!]

女魔法使い「同士討ちなのです」
女僧侶「あ、あれ? こっち見て、るよ?」

女魔法使い「単体呪文ですからね」

女僧侶「……」

女魔法使い「混乱させてるうちに畳み掛けるべきです」
女僧侶「早く云ってよぅ!!」

トロル「ギャッフギャッフギャッフ!」

女僧侶「ひあぁぁー!?」



62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 15:56:24.01 ID:1ADtgHEo

――ネクロゴンドの洞窟、2F

女僧侶「うー。酷い目にあいました……」
女魔法使い「上手く勝てたじゃないですか」

女僧侶「そうだけど。うー」
女魔法使い「トロルにザラキが効くのがわかったのは収穫でした」
女僧侶「そうだね」

女魔法使い「魔物も、多いですね」
女僧侶「うん、トロルでしょ、ガメゴンロードでしょ。
 ミニデーモンに、踊る宝石」

女魔法使い「……踊る宝石」
女僧侶「……踊る宝石」

女魔法使い「凄いですよね」
女僧侶「凄いです」

女魔法使い「一匹倒すと1000Gですよ」
女僧侶「うんうん。おでんで大根が5000個だよ」

女魔法使い「大金ですよ」
女僧侶「ラザニアだったら500個だよ」

女魔法使い「『いけないウェイトレスのお仕置きミルク』の
 ロイヤリティでいうと半日分ですね」

女僧侶「……なんかしょんぼりした気分」
女魔法使い「先へ進むのです」



66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 15:57:41.02 ID:1ADtgHEo

ふわふわふわ

女僧侶「何か出た!」
女魔法使い「なんだか、雲みたいな……」

[フロストギズモ が あらわれた!]
[フロストギズモ が あらわれた!]
[フロストギズモ が あらわれた!]

女僧侶「綿飴っぽいね。甘そうです」
女魔法使い「云ってる場合ですかっ」

[フロストギズモは ヒャダルコを唱えた!]
[フロストギズモの つめたい息!]

女僧侶「吹雪っ!? 凍るっ」
女魔法使い「うううっ! ベギラマっ!!」

フロストギズモ「ふしゅるるる~」

女僧侶「いくよ! 久々の、とげ鉄球すまーっしゅ!!」
女魔法使い「はいです! 手加減無しでっ!」

フロストギズモ「ふしゃ! ふしゃしゃ!」

女僧侶「こんなところで果てるわけにはっ」
女魔法使い「いかないんですっ!!」




67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/26(日) 15:57:47.61 ID:YU7h22AO

そういえば世界のどこかに神龍というドラゴンがいるらしい
そいつならなんとか出来るんじゃね?



80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 16:18:12.16 ID:zjfPbUEo
空飛ぶ乗り物か、比較的携帯が容易な水上移動用の乗り物があれば
バラモス城はともかく、大穴には辿り着けそうだな


82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/26(日) 16:21:03.85 ID:YU7h22AO

いつ必要になってもいいように飛空艇の調整してくるわ



83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 16:21:54.12 ID:oEQAwgAO
>>82
シドwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww娘さん元気?


84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 16:22:16.84 ID:iYiqW8Q0
>>82
シドさ…いえ、何でもないです


85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/26(日) 16:22:36.19 ID:dEW/xg.o
>>82
シドさん乙


86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 16:25:15.55 ID:1ADtgHEo

――レーベの村、盗賊の家

エルフ「おーい」
盗賊「……」

エルフ「腑抜けてるなよ」ぽかっ
盗賊「師匠……」

エルフ「よう。不肖の弟子よ」
盗賊「はい」

エルフ「なんだよなんだよ。しけた顔してるなぁ。
 ん。どうした? 少年はみつかったのか? その顔だと
 さしずめ見つかったけど置いていかれたのか?」

盗賊「……」ふいっ

エルフ「俺も少年は追いかけてみたんだが、あちこちで
 入れ違いになってしまってなぁ。いろいろ思うところも
 あるんだが、事態はどうやらエルフの俺の手を離れた様
 でもあるなぁ」

盗賊「どういう、ことですか?」



88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 16:26:27.52 ID:1ADtgHEo

エルフ「『Capture Codex』を知っているか?
 『世界の書』、『攻略本』とも云われている
 魔法のというのもおこがましい人知を超えたアイテムだ」

盗賊「いえ、知りません」

エルフ「少年はそれを手に入れたんだ」
盗賊「……?」

エルフ「俺も詳しくは知らないがな。
 その書にはあらゆることが書いてあるそうだ。
 特に魔王とその軍のことはな。
 少年はその『Capture Codex』で自分を鍛える術を学び
 旅立ったんだよ」

盗賊「そうだったんだ……」

エルフ「しけてるなぁ。ふられたのが応えたのか?
 仕方ないだろう、お前の胸は小さいんだから」

盗賊「胸は関係ありません」

エルフ「じゃぁ、なんで追いかけないんだ?」

盗賊「仕方ないじゃないですかっ。ラーミアはもう居ないんです。
 バラモス城にはラーミアが居ないといけないんだっ」

エルフ「なんだ、方法が知りたかったのか?」
盗賊「方法があるんですかっ?」



90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 16:27:24.24 ID:1ADtgHEo
エルフ「もちろんだ」
盗賊「教えてくださいっ」

エルフ「……これはちと難しいんだよ」
盗賊「なんでもしますっ」

エルフ「ふっ。いいだろう、古代エルフの秘術によって
 お前の胸をでかくしてやろう」

盗賊「……」

エルフ「一年で二倍になるという秘術。……む!!
 お前のサイズじゃ二倍でも厳しいな。しかたない、禁断の
 秘法により二年で三倍にするしかないか。
 こいつはエルフでも危険な技だぜ?
 はは。オラわくわくしてきたぞ。
 見ててくれ。界王様っ。オラの身体よ持ってくれっ!!
 巨乳拳三倍だっ!」

盗賊「……」ぼぐっ!!

エルフ「痛いじゃないかっ! 弟子!!」

盗賊「アホ云ってるからです」


エルフ「大体だな」



93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 16:29:44.52 ID:1ADtgHEo

エルフ「お前、なんか勘違いしてやないか?
 『方法があるからがんばる』?
 『方法が無いからがんばれない』?
 あー。なにかね。そういうことを考えるのは
 腐って年老いたエルフだけかと思っていたよ。
 人間って言うのはもっと泥臭く悪あがきをする
 生き物だと思っていたね」

盗賊「ぁ……」

エルフ「俺はそういう人間が好きで剣技も魔法も
 教えたつもりでいたんだがな。
 少年もお前も出会った瞬間、そりゃあ実に
 馬鹿っぽい顔をしていたもんだ。人間らしいな」

盗賊「……」

エルフ「お前はここで腐っているし、少年はどうやら
 意地を張りすぎて独りで背負い込むと決めちまったようだ。
 こんなことならあの僧侶のお嬢ちゃんを弟子にするんだったな。
 あれはいい胸だ。揉み心地もいい」

盗賊「え?」
エルフ「いや、いい胸だぞ? 一級品だ」

盗賊「そっちじゃなくてっ」



95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 16:30:21.40 ID:1ADtgHEo

盗賊「独りで背負い込む……って?」

エルフ「ああ」

エルフ「……んー」
盗賊「なんですかっ」

エルフ「こいつばかりは報酬無しではいえないな」
盗賊「くっ。昔から意地が悪いです」

エルフ「……『Capture Codex』には書いてあるはずだ。
 戦いの結末がな。ぶっちゃけると、魔王を倒しても
 旅は終らない」
盗賊「終ら……ない……?」

エルフ「勇者たちは、別の世界へ行く。そうしないと
 この戦いは終らないんだ。別の世界へ云って、帰らない。
 別の世界で大魔王と戦って、帰ってこない」
盗賊「え……」

エルフ「この世界の人々は魔王も魔物も勇者も忘れる。
 救われたことにさえ気が付かず、まるで通り雨が
 過ぎたように『そういうこともあったね』と考える」

盗賊「そんな……」
エルフ「そういうことになってるんだ」



96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 16:32:15.99 ID:1ADtgHEo
エルフ「勇者は報われない仕事だ。
 特にこの世界ではそうなのだろう。
 救うまでは神のごとく崇められるかもしれないが、
 去れば記憶に残らない。
 魔物を倒せば目的に近づくが、魔物をすべて倒せば
 存在意義が無くなる」

盗賊「そんなのってっ!!」

エルフ「勇者とはまるで自分を消滅させるために
 輝いている星のようだ」

盗賊「……っ!」

エルフ「エルフは賢いから、そんなことはしない。
 自分を消し去るために人々を救うなんて絶対にしない。
 そんな事をするのは
 飛び切り愚かで、馬鹿で、低脳な、人間だけだよ」

盗賊「……ううう」がたんっ

エルフ「行くか?」

盗賊「はいっ」

エルフ「それでこそ、我が弟子だ」



98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 16:34:02.77 ID:1ADtgHEo

エルフ「選別にこれをやるよ」
盗賊「これは……?」

エルフ「跳躍の種だ。食べると、自分にバシルーラがかかる」

盗賊「バシルーラ……?」

エルフ「世界のどこかへルーラされる呪文だ。
 どこへ飛ぶかは判らない。絶海の孤島かもしれないし、
 どこかの都会かもしれない。それは本人には選べない。
 まぁ、云ってみれば、呪いのアイテムだ。
 罠にしかならんだろ? そんなもの」

盗賊「……」

エルフ「『どこへ飛ぶかは判らない』。後はお前の運次第だ」

盗賊「はいっ!」

エルフ「行けっ。行ってエルフの技を振るって来い」
盗賊「師匠、有難うございます。……これは、報酬です」

……ちゅ

エルフ「っ!?」
盗賊「あたしは師匠の弟子で良かった。行ってきますっ!」

ばたんっ!!



100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 16:34:31.29 ID:1ADtgHEo

たったったっ……
たったったったっ……

エルフ「人間ってのは馬鹿だねぇ」

エルフ「あんなに愚かな事をしに、笑いながら飛び出してゆく」

エルフ「あんなにキラキラして、すごいねぇ」

エルフ「……」

エルフ「エルフはエルフの仕事をしよう」

エルフ「勇者と仲間の歌を作ろう」

エルフ「愚かな人々が忘れても、
 エルフは決して救われた恩を忘れないだろう。
 この歌は千年の間、継がれていくんだ」




117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 17:04:30.95 ID:1ADtgHEo

――バラモス城、東回廊

ズズン! ズズン!!

勇者「しつこいな、お前らどこで製造されてるんだッ!」

ズバッシャァァーー!!

[うごくせきぞう は たおれた!]

うごくせきぞう「おおおおー!!」
勇者「そんなぬるい動きで、勇者が、止められるかよっ」

ホロゴースト「おおん! おおん! おおん!

勇者「っ!? 即死呪文かっ!?」

ホロゴースト「ザ・ラ・キ!!」 ピカッ!!

勇者「ふっ。そいつは食らうわけにはいかないなっ!
 『いのちのいし』っ」ヒュッ

勇者「対消滅なんだよ。わりーな、逝けよっ!」
ザシュン!!

ホロゴースト「ギャァァ!!」

118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 17:05:37.33 ID:1ADtgHEo

[うごくせきぞう の こうげき!]
勇者「くっ!」

[うごくせきぞう の こうげき!]
勇者「しつ、こいっ!! うりゃぁあ! イオラっ!」

キュドン! ドンッ! ドンッ!

うごくせきぞう「おおー!!」ずずーん
うごくせきぞう「うぉー!!」ずずーん

勇者「はぁ……はぁ……」
幼竜王「勇者ぁ」

勇者「おう、もういいぞー。倒したぞ」
幼竜王「はいでつ。あの……ホミっ」

勇者「あんがとよ。……ってホイミじゃないんかよっ」
幼竜王「ホイミまだつかえないでつ」

勇者「あはははっ。いいよ。これ、なんだかすげぇ回復するぜっ」
幼竜王「うー」



119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 17:05:57.83 ID:1ADtgHEo

カランっ……

勇者「攻撃はさすがに厳しいけど、こんなもんか……」
幼竜王「?」

勇者「なんだか怪しいな。[ピーーー]ためというよりは……」
幼竜王「はいでつ?」

勇者(消耗させるために魔物をぶつけてきているような……)

幼竜王「?」

勇者「持久戦に弱点があるって読まれたか。
 レイアムランドで情報を与えすぎたのは、失敗だったかもな」

幼竜王「困ったでつか?」

勇者「いーや。この程度でへばるかよ。
 バラモスなんて行きがけ駄賃なんだ。あっさり乗り越えて
 ギアナを封印してやる。二つの世界を切り離すんだ」

幼竜王「……」

勇者「そうすりゃあいつらだって追っかけようなんて思わなくなる」

幼竜王「勇者……」



120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 17:08:04.05 ID:1ADtgHEo

――ホビットの祠

盗賊「ここは……どこだ?」
ホビット「はいほーはいほー! ここはホビットの祠!」

盗賊「すまないね。あがりこんだりして」
ホビット「かまわないよ。祠は皆のもの」

盗賊「そっか。ところでバラモス城って知ってるかい?」
ホビット「豚バラモスバーガー?」

盗賊「無理に努力してボケなくていいよ」

ホビット「知らないホビ」

盗賊「語尾でキャラを立てるってのもいいから」

ホビット「むぅ。もてなしの心が判らないひと」
盗賊「いや、ありがたく思ってるよ。でも、先を急ぐ旅なんだ」

ホビット「丁度お昼だよ? ホビットライスたべていかない?」
盗賊「いや。いいよ。……有難うな」

しゅん!

ホビット「消えた!! 消えたホビ!?」



134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2008/10/26(日) 17:36:48.57 ID:1ADtgHEo

――ネクロゴンドの洞窟、3F。夜営。

パチパチッ、パチパチッ

女魔法使い「すぅ……。すぅぅー」
女僧侶「……」なでなで

女魔法使い「すぅー」
女僧侶「……」

女僧侶(強いなぁ。魔物。用意してきたアイテムも
 どんどん無くなっていきますね……)

女僧侶(夜があけたら、っていっても真っ暗で
 正確には判らないけれど、魔法使いちゃんと相談して
 一回脱出しよう。
 大丈夫。ちゃんと戦えてます。
 まだがんばれるです)

女僧侶(間に合わないかもしれないって怯えちゃだめです。
 信じなきゃ。盗賊さんも、佐藤さんも間に合うって)

女僧侶(佐藤さんじゃなかったです。
 勇者さんでした。えへへ)



135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 17:37:26.33 ID:1ADtgHEo

女僧侶(でも……)

女僧侶(佐藤さんが勇者さんだったんだ)

女僧侶(……)

女僧侶(盗賊さんは馬鹿だとか意地悪とか目つき悪いとか
 すごい事を沢山言ってたけれど……)

女僧侶(そうなのかなぁ)

女僧侶(優しい目をしてると、わたしは思ったんだけどなぁ)

女僧侶(佐藤さんと食べたおでん、おいしかったなぁ)

女魔法使い「すぅー」
女僧侶「……」

女魔法使い「すぅ……。すぅぅー」
女僧侶「……おでん……ラザニア……にくまんですよ?」

女魔法使い「すぅー……」にこぉ

女僧侶(……ほら。美味しいのは伝わるのです♪)



136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 17:38:25.45 ID:1ADtgHEo

女僧侶(だんだん判って来たんです。
 わたしは要領が悪くてとろいから、
 答えがすごく遅くなってしまったけれど……)

女僧侶(ロマリアからアッサラームへ向かう途中、
 土砂降りの中、洞窟で三人丸まって寝ました……)

女僧侶(暖かかったです)

女僧侶(アッサラームの小さな下宿)

女僧侶(布団をくっつけて、隙間風に当たらないように
 毛布に包まってくっついて……)

女僧侶(冒険をするのは辛いけれど)

女僧侶(怪我をしたら痛いし、おなかが減ったり、
 不安だったり、怖かったり、もうイヤでイヤで仕方ないときも
 あるけれど)

女僧侶(わたしは、みんなと一緒に旅をするのが好きです)



138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 17:40:03.06 ID:1ADtgHEo
女僧侶(エメラルド色の森、サファイアの海、
 突然の雨、夜明け、満点の星、凍りくような霧の朝)

女僧侶(世界は綺麗です。勇者さん)

女魔法使い「すぅー」
女僧侶「……」なでなで

女僧侶(わたしは恩返しをしよう。――そうだ!
 勇者さんと美味しいBグルを沢山食べよう!
 焼き芋もラーメンも、ホットドッグも、ケバブーも!
 讃岐うどんも、お祭の焼きそばも!
 そして忘れちゃいけない。ハンバーグだよ! ハンバーグぅ!
 美味しいもの。沢山食べよう。
 きっとそれって『居ていい場所』なんです)

女僧侶(もしないなら、作ればいいのですよ。
 わたしは同志として勇者さんの『居ていい場所』を
 建設するのですよ! ありとあらゆるBグルでっ!!)

女僧侶(あれ?)

女僧侶「でもそれって……。うーん。うーん。
 盗賊さんと……? あれ? うーん。難しい考えですっ」

女僧侶「帰ったらベリーパイを食べながら考えましょうっ」
女僧侶はほんとに食べるの好きだなww


144 : ◆rBavJPBtF2 :2008/10/26(日) 18:03:30.24 ID:1ADtgHEo
酉いるかな。
ここでも同じ方法でつけれるんだよな
つけてみる。こうか?



147 : ◆rBavJPBtF2 {sage]:2008/10/26(日) 18:09:04.19 ID:1ADtgHEo

――――バラモス城、2F

幼竜王「ホミっ。ホミっ」
勇者「おう、あんがとうよ!」

幼竜王「うー」
勇者「どうしたんだ? りゅーおー」

幼竜王「ボクよわいでつ」
勇者「そうか? 最強のドラゴンだろ?」

幼竜王「うー。ちがうでつ」
勇者「?」

幼竜王「レイアムランドで、スノードラゴンに襲われたとき
 足がすくんで動けなかったでつ……」

勇者「大器晩成なのさ」

幼竜王「……」

勇者「初めてあったのは、イシスだったよな」

幼竜王「はいでつ」



148 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 18:09:41.61 ID:1ADtgHEo

勇者「あん時はすごかったよなぁ! お前さ、
 ショーウィンドウのドーナツみて、
 だらだら涎こぼしてるんだもんなっ!!」

幼竜王「ううー。おなか減ってたんでつもん」

勇者「いや、俺速攻避けたもんね。他人の振りしたもん」
幼竜王「意地悪でつ」

勇者「次にあったときは、子供にいじめられてたなー」
幼竜王「みんなひどいでつよー」

勇者「尻尾握られて涙目だったのな。りゅーおー」
幼竜王「もー」ぷんぷん

勇者「それにくらべりゃさ」なで
幼竜王「あう?」

勇者「強くなってるよ。ここはバラモス城なんだぜ?
 世界最強のいじめっ子だって座りしょんべん漏らす
 魔王の城だ。自信もてよ」

幼竜王「はいでつ」にこーっ



149 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 18:10:08.26 ID:1ADtgHEo

勇者「さ。もう一息だ。攻略MAPによれば、この先の
 階段をおりりゃ、もうちょいだったはずだぜ」

幼竜王「えいえいおーでつ!」
勇者「って、逝ってるそばからっ!

[じごくのきし が あらわれた!]
[じごくのきし が あらわれた!]
[じごくのきし が あらわれた!]
[じごくのきし が あらわれた!]

勇者(こいつは確かっ!)「先手必勝っ!! いかづちの剣っ!」
ザッシュ!!!

じごくのきし「……ギガッ!」ざざざん!

幼竜王「やた! やっつけたでつ! 勇者つよい!」

じごくのきし「ギギギ!!」

[じごくのきし の 2回攻撃!]
[じごくのきし の 2回攻撃!]

勇者「刃の鎧よ、持ちこたえろぉぉ!」
幼竜王「がんばれでつ!」

150 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 18:10:20.52 ID:1ADtgHEo

勇者「もう一匹! だっ!」ザシュ!
じごくのきし「……ギガッ!」ざざざん!

勇者「次はそっちだぁ!」

[じごくのきし の焼け付く息!」
[じごくのきし の焼け付く息!」

勇者(まずい、これは……マヒ攻撃っ。俺がマヒしたらっ)
勇者「……」びきっ

じごくのきし「キーッキッキ!!」
じごくのきし「ギ!」シャキン! シャキン!

幼竜王「勇者?」

勇者(逃げろっ! りゅーおー! いいから逃げろっ!!)

幼竜王「勇者、勇者っ!!」

勇者(いいから逃げろってんだ、このクソチビスケっ!!)

幼竜王「勇者っ! 勇者ぁ。『満月草』でつっ!!」

勇者「……っつぁあ! イオラ、イオラっ!! ライディンっ!!」



151 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 18:10:44.32 ID:1ADtgHEo

――サマンオサ近郊

[キラーアーマー の 攻撃! 盗賊はひらりとかわした!]

盗賊「ここは……どこだ?」

[キラーアーマー の 攻撃!]

盗賊「ったく! お前ら、いい加減に、しろっ!」ぼひゅん!

盗賊「炎のブーメランか。こりゃいいな。かかってきな!!」

キラーアーマー「ジネ……ゴロズ……」きりきり
キラーアーマー「ゴロズ……トドメザズ……」きりきり

盗賊「呪いの鎧だかなんだかしらないけど、
 ぶっ叩けば切れる相手は怖くはないんだよっ!」ズシャァ!!

盗賊「あたしの行く道を邪魔するなっ!
 あたしはどうしたって、
 どんなことになったって!!
 あいつのところに、絶対に行くんだぁぁっ!!」



154 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 18:18:03.98 ID:1ADtgHEo

――ネクロゴンドの洞窟、5F。

女魔法使い「大丈夫ですかー? お姉ちゃんー?」

ばしゃばしゃ。ちゃぷーん。

女僧侶「大丈夫ですよー。もうちょっとだけ見張り
 お願いしますよー」

女魔法使い「はいでーっす」

ぱしゃぱしゃ。

女魔法使い「危険な場所なのです。僧侶のお姉ちゃんも
 何もこんな時にまで沐浴しようとしなくてもいいのに」

女僧侶「はーい?」

女魔法使い「なんでもないです。ごゆっくりー」

女魔法使い「洞窟の奥に、こんな泉が沢山の場所があるとは
 思いませんでした。温泉なのかな。そんなに冷たくないし」

女魔法使い「お風呂、ですか……」



155 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 18:19:54.45 ID:1ADtgHEo

(だいたいおまえ、両腕ともひじから先が真っ赤じゃないかっ)

女魔法使い「……」

女魔法使い「やっぱりボクも入ったほうが良いのでしょうか?」

くんくん

女魔法使い「む……。血の匂いはあんまりしないと思うのですが」

女魔法使い「お兄ちゃんは、いい匂いがしましたです……」

女魔法使い「戦いの匂いなのに、お日様みたいな」

女魔法使い「……」

女魔法使い「どういうのが気に入ってもらえるでしょうか?
 やっぱりぱんつはローレグでしょうか。
 ボクとしてはちっちゃな三角ビキニもいいと思うんです。
 ずれたら見えちゃうようなのが。
 ……とはいえ、基本も侮りがたいです。
 水色縞ぱんとか? 悩ましいのです」

女魔法使い「うう。そのへんは要研究です。お兄ちゃんの事は
 あまり知りませんからね。スタートで圧倒的に出遅れですよ」



156 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 18:20:23.03 ID:1ADtgHEo

(りゅうおーっ! りゅうおーっ!!)

女魔法使い「あの子はいいなぁ」

女魔法使い「人間じゃなくても可愛がってもらえて」

女魔法使い「……」

女魔法使い「ボクも」

女魔法使い「憧れても、いいのでしょうか」

女魔法使い「……」

女魔法使い「そうしたら、もう。すごいのです。
 爪先から始めて、全身ちゅっちゅのご奉仕です。
 えっちな下着でどんな要求にも応える所存です。
 勇者の激しい高ぶりをまだ幼いきつきつの小さな孔で
 くいしめるなんてちょっとロマンチックです。
 やはりそこは『おにいちゃんの熱いびゅくびゅくで
 ボク赤ちゃん出来ちゃうよぅ!!』でしょうか?」

女魔法使い「いやいや。最初から飛ばすと後が続かないのでは?
 し、しかし飛ばさないと先行二人に追いつけませんよ?
 こんな恐ろしい難問が人間社会に潜んでいるとは……」



157 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 18:20:57.21 ID:1ADtgHEo

女魔法使い「なんて」

女魔法使い「絵に描いた餅ですけどね」

女魔法使い「欲望と愛情は違うのです」

女魔法使い「多分、恋も」

女魔法使い「……」

女魔法使い「それでも憧れずにはいられませんです。
 ……欲張りなんです。ボクは、きっと」

ざぷん!

女僧侶「さ、交代だよ。魔法使いちゃん!」
女魔法使い「僧侶のお姉ちゃん。ボ、ボクはいいのですよ」

女僧侶「ダメですっ。女の子はいつも綺麗にしてないと
 いけないんです。清潔はルビス様の教えでもあります」

女魔法使い「うー」

女僧侶「はい。これ。桃のシャンプーですよ。
 綺麗にして、きちんとして、追いつくんですからっ」



183 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 20:54:11.20 ID:1ADtgHEo

――ネクロゴンドの洞窟、黎明

女僧侶「空気の匂いが……」
女魔法使い「ええ」

ざっざっざっ

女僧侶「……」
女魔法使い「明るくなってきました、僧侶のお姉ちゃん」
女僧侶「うんっ!」

さぁーっ

女魔法使い「霧がはれて」
女僧侶「出口です!」

女魔法使い「はいです!」
女僧侶「出口です! 出口ですっ! とうとうネクロゴンドの
 洞窟を抜けたんですねっ!!」

女魔法使い「朝日が暗い山脈に差し込んで」
女僧侶「こんな魔境なのに、それでも、それでも綺麗だよ」

女魔法使い「はいです……。ここは綺麗です」



185 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 20:55:23.20 ID:1ADtgHEo

女僧侶「じゃぁ、あれがバラモス城なんですね」

女魔法使い「そうです。あれがバラモス城です。
 行った事はありませんが、話には聞いています」

女僧侶「うん……」

女魔法使い「湖と山に囲まれて、ここから見てもまだ
 高みにあります……」

女僧侶「関係ないですよ。行きましょう!」
女魔法使い「え? え!?」

女僧侶「行こ?」
女魔法使い「どうやって!?」

女僧侶「湖があるなら泳いで。山があるなら登って」

女魔法使い「……」
女僧侶「……」

女魔法使い「何にも考えてないじゃないですか!」

女僧侶「うー。怒らなくても」
女魔法使い「僧侶のお姉ちゃん、考え無しなのです。
 ここまで引っ張ってくるから。てっきり作戦があるとばかり」



187 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 20:57:05.24 ID:1ADtgHEo

女僧侶「だってわたしは頭脳派じゃないのです」
女魔法使い「胸張って見せびらかさないで下さい」
女僧侶「うう」

女魔法使い「もうっ」
女僧侶「ごめんなさい」

女魔法使い「スレッドにはなにかないんですか?」
女僧侶「うーん。うーん……神龍とか八つの玉とか
 割れた石版とか……」
女魔法使い「良く判りませんね」

女僧侶「空飛ぶベッドとかはぐりんとか」
女魔法使い「??」

>>祠からバラモス城って泳いで渡れる距離じゃないのかな?

女僧侶「ほらほら! ナイスアイデアですよ!!」
女魔法使い「湖はいいとして、そのあとの岩山はどうするんですか」
女僧侶「うー」

女魔法使い「……。その下は?」

>>鳥系のモンスターとか手なずけられないかな?
>>極楽鳥とかさ……
>>足につかまればあるいは……

女僧侶「鳥みたいな魔物なんて見たこと無いよ」
女魔法使い「ボクはみました。レイアムランドで。
 鳥じゃなくても、飛べればいいんです」



188 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 20:58:14.56 ID:1ADtgHEo

――スノードラゴンにつかまって

女僧侶「こ、怖いっ! 怖いよっ、魔法使いちゃん!」
女魔法使い「ボクだってコワイですっ」

女僧侶「うううっ」
女魔法使い「メダパニ掛け続けるの大変なんです」

スノードラゴン「ぐる? ぐるるる~」

女僧侶「おー。よしよし。
 お姉さんたちは悪い子じゃないですよ?
 ご飯じゃないですよぉ。ほーら、ぱふぱふ!
 ぱふぱふなのでバラモス城いってくださいですよぉ~」

女魔法使い「ナイス誘導です」

女僧侶「ひぃ~ん。ルビス様、ごめんなさい。
 こんなはしたない真似をして申し訳ありません」しくしく

女魔法使い「もうちょっとだけですからっ」

女僧侶「わぁん。大盤振る舞いですよっ。ごめんなさい」ぱふぱふ

スノードラゴン「ぐるるる~」

女魔法使い「見えてきましたっ!」
女僧侶「中庭に、スノードラゴンさんっ!」



189 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 20:59:15.47 ID:1ADtgHEo

――スーの村

盗賊「ここは……どこだ?」
うま「ここはスーの村」

盗賊「馬が喋るのかっ!?」
うま「わたしはエド。馬は喋る。常識だ」

盗賊「そう……なのか?」
うま「他の馬は無口なだけ」

盗賊「……ふむ」
うま「どうした」
盗賊「いや、納得していたんだ」
うま「面白い人間だ。わたしはエド、喋る馬」

盗賊「バラモス城について何か知らないか?」
うま「勇者が向かった」

盗賊「知っているのか!?」

うま「馬は無口だ。その分耳を働かせる」



190 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 21:00:12.91 ID:1ADtgHEo

盗賊「他には何か知らないか?」
うま「まぐさをくれ」

盗賊「まぐさ?」
うま「そこにある干草だ。肩を拭いてほしいのだ」
盗賊「こう、か?」ごしごし

うま「良い気持ちだ」
盗賊「……」

うま「ルーラを唱えると街へと一瞬で移動するが、
 その時どこを通るか判るかね?」
盗賊「空を飛んでいくんだろう?」ごしごし

うま「子供のような事は言わないでくれ。そんな速度を
 出したら真っ赤に焼けた栗の様になってしまうよ」
盗賊「じゃぁ一体どこを通るのさ」

うま「夢の中さ」
盗賊「ゆめ?」

うま「夢の中で馬は、遠くはなれた仲間と話をする」
盗賊「それで物知りなのか」



191 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 21:00:42.75 ID:1ADtgHEo

うま「そうさ。判ったかね」
盗賊「良く判らない」

うま「早く判るのだね」
盗賊「馬鹿にされた気分だ」ごしごし

うま「沢山買い物をするべきだ」
盗賊「どうして」

うま「次にいつ買い物に行けるか判らないだろう?」
盗賊「道理だ」

うま「馬は正しいことしか言わない」
盗賊「そうか」

うま「嘘しか言えないのと同じくらい素直なんだ
盗賊「判らない」

うま「早く判るのだね」
盗賊「……」ごしごし



194 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 21:01:49.05 ID:1ADtgHEo

うま「痒いところを掻いてくれて有難う。さあ行き給え」
盗賊「エド?」

うま「なんだね」
盗賊「ありがとうな」

うま「きみは素直ではないようだ」
盗賊「……?」

うま「早く判るのだね」
盗賊「……うん。努力するよ」

うま「さあ急いで」
盗賊「行ってくる!」

しゅんっ!!

うま「わたしはエド。しゃべる馬」

うま「わたしはエド。旅人に幸運と勇気を」

うま「わたしはエド。夢をみる馬」



208 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 21:58:13.66 ID:1ADtgHEo

――バラモス城、暗黒玉座

ざっ、ざっ、ざっ

バラモス「来たか勇者」
勇者「決着だっ」

バラモス「ふっ。大きな口を。供回りはどうしたのだ?
 ひ弱な人間の勇者よ。まさか独りで余に挑むつもりか」

勇者「ああ、そうだとも。二流の魔王っ。
 お前の相手なんて俺一人で十分なんだよっ」

バラモス「よかろう、来るが良い。
 何時の臓物をこの夜の城にある八つの尖塔にさげて
 ハゲタカがついばむ景色を楽しむとしよう」

勇者「ぬかせっ!」

[まおうバラモス が あらわれた!!]

バラモス「いくぞっ! イオナズン!!」
勇者「今更そんな魔法、恐れるかっ」ジャキッ
バラモス「二刀流!?」

勇者「くさなぎっ! その力を顕せ!」

[勇者はくさなぎのけんをつかった。バラモスの防御力が下がった]



209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/26(日) 21:59:32.38 ID:J20HEYoo
温泉
僧侶3-209



210 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 21:59:41.82 ID:1ADtgHEo

バラモス「こしゃくなっ」
勇者「いなずまの剣っ! 切り裂け!」ザシュっ!

バラモス「くっ! これはどうだ! メラゾーマっ!!」
勇者「っ!?」

バラモス「防ぎきれないようだな。この巨大な火球は
 メラ最上位だ。人間界では見ることすら出来ぬであろう」

勇者「そうは、行くか」
バラモス「ふっ」

勇者「行くかぁぁーっ!」

ざしゅ!

バラモス「っ!」

勇者「お前だって血を流しているじゃないかっ。
 判るぜ、お前の防御力は下げられて、今やそこらの
 魔物と変わらない。
 このいなずまの剣で十分にダメージを与えられる。
 それになっ!」

[勇者はくさなぎの剣をつかった。バラモスの防御力が下がった]

バラモス「なにをっ!」
勇者「まだまだいけるってこったよ! 倒すっ!」



212 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:01:55.61 ID:1ADtgHEo

バラモス「ふざけるなっ! 鉄の鎧をも切り裂く我が
 攻撃を食らえっ!」

[バラモスの 2回攻撃! 勇者はダメージを受けた]
[勇者の こうげき! バラモスはダメージを受けた]

バラモス「っ!?」

勇者「びっくりした顔するなよ。
 ……自分では殴っておいて切りつけられるとは思わなかったのか?
 するぜー。お返しくらい」

勇者「こっちは目つきの悪い引き篭もりなんだからな。
 ネガ想念だけで今まで生きてきたんだよ。
 攻撃されたらやり返すぜー。
 執念深いのと攻撃衝動だけはどんな厨二にも負けねーってんだ」



213 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:03:43.25 ID:1ADtgHEo
バラモス「貴様、貴様っ! 離れんかっ!!」

[バラモスの 2回攻撃! 勇者はダメージを受けた]
[勇者の こうげき! バラモスはダメージを受けた]

勇者「はんっ。離れるかよ。
 これが人間の間合いなんだ。
 身体のでかいお前にはやりにくいかもなっ。
 ははは。そろそろか? 動きが鈍ってきたぜ?
 魔王、とどめだっ!!」

バラモス「くそう、させるな! こやつの動きを止めよ!」
勇者「!?」

[じごくのきし が あらわれた!]
[じごくのきし が あらわれた!]
[じごくのきし の焼け付く息!」
[じごくのきし の焼け付く息!」

勇者「しまっ……」

バラモス「ははは! はははははは!!!」

幼竜王「勇者ぁ!」

バラモス「芋虫のようだなァ、勇者! メラゾーマ!
 メラゾーマっ! メラゾーマっ! メラゾーマぁぁっ!」



216 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:06:07.73 ID:1ADtgHEo

バラモス「我が名は魔王バラモス! 地上の闇の支配者!
 魔を統べる王。すべての魔物は我に従うっ。
 独りで挑んでくれば、我が正々堂々一対一の戦いを
 するとでも? あはははは。滑稽なっ!」

バラモス「そこで羽をもがれた蝶に様に惨めに
 這い蹲りながら死ぬが良いっ!」

勇者「か……ら……だ……」
幼竜王「勇者! 勇者ぁ、いまいくでつ。満月草あるでつ!」

とてて、とててっ

幼竜王「大丈夫でつ。シビシビとれるでつっ」

勇者(ばかっ! なにいってんだよ、逃げろって!
 バラモスなんだぞっ! 魔王なんだぞっ!!)

とてて、とててっ

幼竜王「りゅーおーはドラゴンの王様でつからっ!」

勇者(お前はまだチビなんだっ。ダメだっ。来るなよっ。
 あっちいけよ! ちびすけ! 甘ったれ!!
 嫌いだ! 嫌いだっ! お前なんかだいっ嫌いだっ!
 だからあっちに行ってくれよっ!!)

バラモス「うるさい羽虫め、目障りだっ」



217 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:07:29.84 ID:1ADtgHEo

――ギュドンッ!!

勇者「あ……ぁ……ぁ……」
幼竜王「えへ~……。へへ……」ぱたり

勇者(りゅーおーっ。りゅーおーっ!!)

幼竜王「痛いでつー。えへへ~。……勇者、いつも
 こんな……すご……ぉ……ぃ」

勇者(りゅーおーっ。りゅーおーっ!!)

幼竜王「あ……ぅー。満月草、こげ……えへ」

勇者(りゅうおうっ!)

幼竜王「だいじょぶでつよ? りゅーおーでつから。
 死んだりしないでつよ? ……ちょっとお空に溶けるだけ」

勇者(ばかっ! ばかっ! くそちびっ!)

幼竜王「……ゆうしゃ。仲直り……ね?」

勇者(何いってんだよっ。アホ、逃げろ! 早く逃げろっ!)



218 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:08:08.04 ID:1ADtgHEo

幼竜王「美味し……かったでつ……いっぱい……
 好き……楽し……勇者ぁ」

勇者(ぁ……あぁ……)

幼竜王「お空、溶けて……勇者……待って……でつ……
 せかい……全部……溶けて……。
 ゆうしゃの……いつか……」

勇者(あぁ……)

幼竜王「……はんぶんこ、しようね」

勇者(~っ!!)

バラモス「くだらぬ」ぐしゃ。

勇者「……! ……っ!!」

バラモス「虫の息ではないか。あははははは!!!
 無様だな、人間の勇者! 貴様には死をやることもない!
 その無念を抱いて永遠の中を漂流するが良い!

 バシルーラッ!!!」



229 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:22:05.18 ID:1ADtgHEo

――夢の旅路

勇者(……っ)

勇者(りゅうおー……)

勇者(弱っちいから。弱いのはっ。すぐ死ぬから。
 弱虫は俺は嫌いなんだよっ。そういうのは……。
 りゅーおーっ。りゅーおぅ……)

勇者(……っ)

勇者「かっこわりぃ」

勇者(俺が一番かっこう悪ぃ)

勇者(知ってるよ。一番弱いのは俺だよっ。
 格好付けで、見栄っ張りでやることなすこと最後で
 おじゃんにしてきたのは、俺だよっ。
 りゅうおーを守ってやれなかったのは俺じゃないかっ)

勇者(弱いやつは嫌いだっ。強いやつは嫌いだっ
 街のヤツは嫌いだっ。街の外のヤツも嫌いだっ。
 優しくないやつは嫌いだっ。優しいやつはもっと嫌いだっ。
 純粋なヤツも純粋でないやつも嫌いだ)

勇者(俺は。俺は俺が一番嫌いだっ)



231 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:23:34.70 ID:1ADtgHEo

勇者「りゅーおー。俺、なんか、疲れちゃったよ」

アリアハン、レーベ、ロマリア、カザーブ……

勇者「なんだありゃ……。ああ。そうか」

勇者「バシルーラだもんな。あれに突っ込めば、
 そこに出れるわけか……。
 あははっ。身体うごかねぇよ。
 バラモス、念入りに痛めつけてくれたしな」

ノアニール、アッサラーム、イシス……

勇者「バラモスめ。俺はこのままずっと真っ暗な中を
 落っこちてけって云うことか……。
 ……まぁ、いいや。
 疲れちゃったよ。もう、いい」

ポルトガ、バハラタ、ランシール、ムオル……

勇者「もう、いらない」

スー、テドン、サマンオサ……

勇者「俺は、そんなのはもういらない」



236 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:26:54.35 ID:1ADtgHEo

ルイーダの店、岬の洞窟、ナジミの塔……

勇者「明るいシャボンが少なくなってきたな……」

いざないの洞窟、シャンパーニの塔、地底の湖……

勇者「だんだん世界から離れてるのか」

砂漠のほこら、ノルドの洞窟、人さらいのアジト……

勇者「知ったこっちゃ無いね。俺は引き篭もりなんだ。
 この真っ暗な紐なしバンジージャンプに引き篭もるんだ。
 二度とがんばろうだなんて。
 二度と何かを救えるだなんて。
 そんな事は考えない」

盗賊「そうはいくか」

勇者「……盗賊?」

盗賊「ああっ! アタシだ。やっと捕まえたぞ、クソヒッキー!」

勇者「な、なんだよっ! お前なんでこんなところにいるんだよ」

盗賊「バシルーラで旅行中なんだ」
勇者「何でそういう馬鹿な方法で移動を考えるっ!」



241 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:28:53.00 ID:1ADtgHEo

盗賊「仕方ないだろう。ラーミアが居なくなって
 これしか方法が無かったんだ」

勇者「お、お、お、お前は馬鹿だっ!!」
盗賊「子供の頃から百万回は云われたな」

勇者「後百万回だって云ってやる。馬鹿っ!!」
盗賊「いいじゃないか、成功したんだから」

勇者「え?」
盗賊「ひっきーをつかまえたんだ。成功だろう?」

勇者「……」
盗賊「どうしたんだ?」

勇者「俺ヒッキーだからな」
盗賊「それがどうした?」

勇者「勇者は止めたんだ。もう世界はどうでもいい」
盗賊「……」

勇者「大体格好悪いよ。勇者とか、勇者に救われなきゃ
 滅びる世界とかっ。そんなの猫のうんちだよっ」
盗賊「そっか」

勇者「そうだよっ」



243 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:31:05.69 ID:1ADtgHEo

盗賊「辛いのか」
勇者「辛いわけ無いだろうっ」

盗賊「悲しいことがあったのか」
勇者「世の中ぬるくハッピーに渡ってけるんだよ、俺はっ」

盗賊「後悔してるんじゃないのか」
勇者「してるわけ無いだろ。引き篭もりは精神が孤高なんだっ」

ぎゅぅっ

勇者「な、な、なにしてんだっ!? お、お前っ!?」
盗賊「変か?」

勇者「変だよ。キャラ違うよっ! お、おまえは
 口が悪くて斜に構えていて皮肉屋のニート盗賊だろっ!」

盗賊「そうだよ」

勇者「大体なんだよ? お前空気読めよっ。
 今の会話のどこに抱きしめるような要素が入ってくるよ」

盗賊「『嘘しか言えないくらい素直』って
 教えてもらったからな」

勇者「なんだよむかつくなっ。離せよっ」
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2008/10/26(日) 22:32:22.56 ID:zjfPbUEo
なんかもう泣きっぱなしだわい



249 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:37:23.92 ID:1ADtgHEo

盗賊「離さないよ」

勇者「離せよっ! 俺は引き篭もりなんだぞっ。
 みんな嫌いなんだ。お前たちなんて大っ嫌いなんだっ」

盗賊「一緒に行こうよ」
勇者「……っ」

盗賊「一緒に行こうぜ。バラモス城に」
勇者「……っ」

盗賊「だめか?」

勇者「馬鹿っ! 馬鹿っ! なんでお前は昔からそんなに
 頭が悪い軍隊アリ以下の馬鹿なんだよっ!
 いなくなっちゃうんだよ。バラモスを倒したって
 ダメなんだよっ。それどころか倒したやつは……。
 地下世界で……。とにかく、この世界にはいられなくなる。
 世界を救ったって褒めてももらえない。
 故郷にも帰れない。
 誰も覚えていてくれる人なんて居なくなるんだ。
 大事な居場所だってなくなる。放浪者になるんだっ。
 追放されると云ったっていい」

盗賊「それが?」



252 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:38:40.25 ID:1ADtgHEo

勇者「脳みそスライム級かよっ! 云ってることも
 判らないのかよっ」

盗賊「判ってるよ。でも一緒に行きたいんだ」

勇者「だからっ!!」

盗賊「なんだよ」

勇者「……っ」
盗賊「なんだってんだよ」

勇者「俺、弱いんだよっ!! 弱っちいぃんだよ。
 あ? 笑えよ。笑えばいいだろうっ!!!
 勇者とかいったって弱いんだよ。バラモスにも
 勝てないんだよっ。よってたかってボコボコさぁ!」

盗賊「……」

勇者「判ってんの? 俺と来たってダメなんだよ。
 儲け話に一口乗るとか、そんな期待は無駄なの。
 俺なんかどう足掻いたってどうにもならないんだよ。
 弱いからっ。
 助けるとか、救うとかっ。――りゅーおーとかっ!!
 出来ないんだよっ。
 判んないのかよ。ちきしょっーっ!」



255 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:42:43.23 ID:1ADtgHEo
盗賊「勇者」
勇者「なんだよっ」

盗賊「それでも一緒に行きたいんだ」 ぎゅぅ
勇者「~っ!」

盗賊「最初からずっとそう思ってた」
勇者「ううっ」

盗賊「お前、涙でぐしゃぐしゃだぞ」
勇者「うるさいっ!」

盗賊「これじゃぁ本当に格好つかないなぁ」
勇者「なにがだよっ!」

盗賊「別件はもうすこし保留しておいてやるよ」
勇者「全然わからねぇよ!!」

盗賊「……イヤ、なのか?」
勇者「……っ」

盗賊「……」にこっ
勇者「……」ぷいっ!



262 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/26(日) 22:48:42.40 ID:1ADtgHEo

盗賊「手をつなぐのは初めてだな」
勇者「……寝てるお前とつないだことくらいあるよ」

盗賊「?」

勇者「うるせぇ。お前薬草持ってるんだろう? よこせ」
盗賊「ああ。ほら。祈りの指輪もあるぞ」

勇者「あんがとよ」
盗賊「へー」
勇者「なんだよ」

盗賊「ありがとう、云える様になったんだ」
勇者「……りゅーおーに教わったんだよ」

盗賊「うん」
勇者「……」

盗賊「いけるか?」
勇者「先輩面するなよ。俺は勇者なんだ。
 ……仕方なくだけどな。遅れたら追いてっちまうからなっ」

盗賊「付いて行けないところなんてあるか。
 あんたが行く所ならどこまででもなっ!!」



297 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 00:25:40.16 ID:pELn/jIo

――バラモス城、暗黒玉座

[じごくのきし が あらわれた!]
[じごくのきし が あらわれた!]
[じごくのきし が あらわれた!]

女僧侶「ニフラムっ!!」

じごくのきし「キシャァ!!」「ギャァァァ!!」
女魔法使い「メダパニっ!」

うごくせきぞう「ぐる? ぐががが!!」

女魔法使い「動き石像っ! エビルマージを粉砕しなさい!」

エビルマージ「っ!? メラミっ!」
うごくせきぞう「うごぉぉ!!」

女僧侶「はぁっ、はぁっ」
女魔法使い「はぁー。はぁー」

バラモス「驚いたぞ。小娘二人きりと思いきや、
 良く耐えているではないか」


298 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 00:26:21.47 ID:pELn/jIo

バラモス「ふふふ。感心したぞ」

女魔法使い「当たり前なのです」
女僧侶「そうですっ」

バラモス「ほう」

じごくのきし「キッシャキッシャ!」「キッシャ!」

女僧侶「ニフラムっ!!」
女魔法使い「ここはお姉ちゃんとお兄ちゃんが帰ってくる場所」
女僧侶「譲りませんっ!」

バラモス「ははははっ!? 勇者が? たとえ、あの勇者が
 復活してまたこの城に訪れるとしても、城門からここへは
 賛嘆距離でも数時間はかかろう。そして、勇者の影は城門は
 愚かこの大陸には無いわっ」

バラモス「ははははっ! 哀れな虫けらめ!」

エビルマージ「「「あはははははは!!」」」

女魔法使い「……」にこっ
女僧侶「……」にこっ

バラモス「苛立たしいのはその態度よっ!
 耐え切れぬほどの猛威をぶつけてくれるわ!」



302 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 00:31:54.14 ID:pELn/jIo

バラモス「来たれ! 重き拳にて敵を粉砕する白亜の守護者よ!」

[うごくせきぞう が あらわれた!]
[うごくせきぞう が あらわれた!]
[うごくせきぞう が あらわれた!]

女僧侶「魔法使いちゃん、あれはニフラムじゃ消せないっ!」
女魔法使い「わかってます。ラリホー!」

[うごくせきぞう は 眠りに付いた」
[うごくせきぞう は 眠りに付いた」

バラモス「すべては、無理だな」

女魔法使い「っ!」
うごくせきぞう「ウガーッ!!」ドンッ!

女僧侶「だめ。魔法使いちゃんは、守るもの。
 ううん、これ以上絶対に進ませない」

女魔法使い「スクルトっ!」
女僧侶「ベホマっ!」

バラモス「ふん。手ごわいことよな。小娘二人とはいえ、
 こう守りに徹せられては手こずりもするか」
女僧侶「まだまだですっ」

バラモス「しかし、我が手を下せば別であろう。激しい炎!」



309 ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 00:35:51.15 ID:pELn/jIo

女僧侶「フバーっ。くっ! 間に合わないですっ!」
女魔法使い「ヒャダルコっ!!」

ごおおおおおズヒャァァア!

バラモス「打ち消しっ!? かまわん、いけ! 地獄の騎士!」
じごくのきし「きしゃぁー!!」

[じごくのきし の 2回攻撃!]

女僧侶「まだぁっ!」

バラモス「絶望に変われ! イオナズン!!」
エビルマージ「「「あはははははは!!」」」

しゅんっ!!

勇者「せやぁっ!!」
盗賊「たぁっ!!

バラモス「っ!?」ずどんっ

女魔法使い「お兄ちゃん! お姉ちゃん!!」
女僧侶「盗賊さん! 勇者さんっ!!」



311 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 00:37:19.83 ID:pELn/jIo

バラモス「くっ! なぜだっ!」

勇者「ふっ。手首ぶらぶらさせやがって。
 言える台詞はそれだけかよ」

バラモス「お前たちの気配は城の中には絶対無かった!
 どうやってここに現れたっ?」

勇者「バシルーラだろJK」

バラモス「まさか。数億分の一の可能性だぞっ!?」

盗賊「ルーラの移動空間は夢と同じ性質を持ってるそうだよ。
 そしてあたしは『ゆめみるルビー』の使い手だっ」

バラモス「く……っくっくっく」

勇者「……」

バラモス「くぁーあーっはっはっは!
 いいだろう。面白い! お前たちのような負け犬が
 どこまでは迎えるか試してやるのも一興だ!
 出会え! エビルマージ! 地獄の騎士! 動く石像!!
 やつらを皆殺しだっ!!」



314 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 00:41:02.67 ID:pELn/jIo

盗賊「僧侶っ。新しい獲物だっ」

女僧侶「剣っ? わたし、剣術なんてつかえませんっ」

盗賊「ぶんなぐりゃいい。骸骨は良く切れるぞっ。
 それから魔法使い、祈りの指輪だっ。やってやんな!!」

女魔法使い「はいなのですっ! うわぁ。MPが……
 あふれてきちゃいます。いけるのですっ!」

勇者「先手必勝! せいやぁぁーっ!!」

女僧侶「勇者さんっ!」

盗賊「あいつは馬鹿なんだ。行かせるしかないさっ。
 あたしが雑魚の前衛をする。僧侶は援護をっ。
 戦闘指揮は、魔法使い。任せていいなっ!」

女魔法使い「はいなのですっ! イオ! イオっ! イオラっ!」

ドン! ドン! ドドンッ!!

盗賊「イヤアァッ!」
女僧侶「お祓い丸さんっ! いっけぇー!」

アークマージ「イオラの着弾と同時にっ!?」



317 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 00:44:21.98 ID:pELn/jIo

盗賊「丸見えなんだよっ!」ズシャ
女僧侶「天国へ行きなさいですっ!」ずばんっ!

アークマージ「動きが違うっ! きゃつら変わったゾ!
 石像! 石像っ! 前線を構築しろっ!!」

うごくせきぞう「おおんっ! おおんっ!」
盗賊「水面蹴りっ!」

うごくせきぞう「おおんっ!」どどーん!

勇者「行かせてもらうぜっ」

アークマージ「石像を足場に!? 止めろ! 止めるんだ!!」

じごくのきし「キシャ、キッシャー!!」

女僧侶「ニフラムっ!」
女魔法使い「ヒャダルコっ!!」

盗賊「行けぇぇぇ!!!」

勇者「うわぁああっ! ライデインっ!!」



320 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 00:48:58.78 ID:pELn/jIo

ザシュンっ!!

バラモス「何故だっ。何故戦うッ。この世界は闇に閉ざされる。
 ゾーマ様の闇に閉ざされるというのにっ」

勇者「うるせぇ! バラモスっ!!
 この世界はっ! この世界にはなっ!!
 りゅーおーが溶けているんだ。
 空にも、海にも、大地にもっ。
 あのアホ面で甘ったれのりゅーおーが溶けているんだよっ!」

盗賊「……」

バラモス「ぐっ」

勇者「この大地の草の一片、風のひとそよぎに至るまで
 俺とりゅーおーのものだっ。俺とりゅーおーで
 はんぶんこにするって約束したんだっ。
 バラモスだか、ゾーマだか知らないが
 そんなやつらにくれてやる分はこれっぽっちだって
 ありゃしないっ! お前たちのものは、ここには
 何にも無いんだっ!!」

バラモス「ぐぐぐっ! やれぇ!! 騎士よっ!!」



323 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 00:52:11.45 ID:pELn/jIo

[じごくのきし の焼け付く息!」
[じごくのきし の焼け付く息!」
[じごくのきし の焼け付く息!」

勇者「しまっ……」

バラモス「ははは! またこの手にひっかかったか!」

女僧侶「勇者さんっ!」

バラモス「芋虫のようだなァ、勇者!  メラゾーマぁぁっ!
 羽をもがれた蝶に様に惨めに這い蹲れぇぇっ!」

勇者「……くそ」
女僧侶「勇者さんっ! まって、今キアリクをっ!」
(勇者! 勇者ぁ、いまいくでつ。満月草あるでつ!)

たたたっ

女僧侶「マヒを解除しますから、すぐですっ!」
(大丈夫でつ。シビシビとれるでつっ)

勇者(ばかっ! なにいってんだよ、逃げろって!
 バラモスなんだぞっ! 魔王なんだぞっ!!)



328 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 00:58:34.37 ID:pELn/jIo

たたたったたたっ

女僧侶「大丈夫。これが僧侶の役目ですっ」
(りゅーおーはドラゴンの王様でつからっ!)

勇者(やめろよっ! やめてくれぇっ! 来るなよっ。
 あっちいけよ! あほ巨乳! 天然ボケかましやがって!!
 嫌いだっ……なんて、俺にはもう云えないんだからっ
 もう一人だって失いたく、無いんだからっ!!)

じごくのきし「きしゃーっしゃっしゃっしゃ!!」

[じごくのきし の焼け付く息!」
[じごくのきし の焼け付く息!」

女僧侶「っ!!」

バラモス「あははっ! これで終わりだっ!!」

盗賊「そうはいくかっ」ザシュン!!!

じごくのきし「ぎぎーっ!!」ずどんっ

女魔法使い「盗賊、さん……」

バラモス「貴様、貴様は何故マヒしていないっ!?」



332 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 01:04:04.61 ID:pELn/jIo

盗賊「ああ。……そこにな。勇者を守るように
 『満月草』が落ちてたよ
」 もぐっ

女僧侶「キアリクっ!」

勇者「へへへ。……あははっ」

バラモス「何がおかしいっ! 地獄の火炎で焼き尽してくれるっ。
 猛火よ! 業火よっ!!」

女僧侶「フバーハっ!」
女魔法使い「バイキルトっ!」

[じごくのきし の 2回攻撃!]
[じごくのきし の 2回攻撃!]

ギンッ! ビギンッ! ギキンッ!
勇者「あはははっ。効かねーよ。
 盗賊が隣に居る。
 僧侶さんが守ってくれてる。
 魔法使いちゃんが援護してくれる。
 それに、りゅーおーが見てくれている」

バラモス「っ!」

勇者「バラモス、お前なんかここまでだっ。
 暗闇に去れっ!! 俺は、勇者に……なるんだっ!!」



337 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 01:14:02.20 ID:pELn/jIo

――ギアガの大穴

勇者「……」
盗賊「なんだよ」

勇者「いや、その……」
盗賊「今更独りで行くなんていうつもりかよ」

女僧侶「そうですよ、それはあんまりですよ」
女魔法使い「責任を取るべきです」

勇者「ほ、ほんとに、判ってるのかよ」

女魔法使い「はいです」
盗賊「もちろんだよな」

女僧侶「はい! アレフガルドっていうところで
 Bグルツアーするんですよねっ!」

勇者「……」
女魔法使い「……」

盗賊「いや、こいつはこういうやつなんだ。
 話半分で受け止めておいてやってくれるか?」
勇者「い、いいけどさ」

女僧侶「嬉しいですっ」ぴょんっ



341 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 01:17:48.59 ID:pELn/jIo

勇者(うわ、ゆ、ゆ。ゆれてるぞ。くっ。精神集中だ。
 こんな事を悟られるわけにはいかん。
 これから一緒に過ごすならこんなところで印象を
 悪化させるわけにはいかんのだっ!)

盗賊「……」じー
女魔法使い「お兄ちゃん。あさって方向見てるです」抱きっ

勇者「え? わっ」
盗賊「おい、ちょっ。魔法使いっ! 何やってるんだよ!」

女魔法使い「ボクはおにいちゃんのお嫁さん候補なのですよ?
 もうずっと前に告白したのです」

女僧侶「ええっ!?」

勇者「え、あ、あー。……ほら? こ、子供の云うことじゃん?」

盗賊「どこでっ!?」
女魔法使い「ダーマです」
女僧侶「ダーマに行ってた用事ってデートだったんですかっ!?」

勇者「ち、ちげーっ! う、ですよ。はい」

盗賊「あたしは勇者の事を誤解してた気がする」



348 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 01:22:55.10 ID:pELn/jIo

女魔法使い「ボクはどんなプレイでもおーけーなのです」

女僧侶「勇者さんはわたしが美味しいグルメに
 連れて行くんですっ」

盗賊「ちょっとまて。あたしの幼い純真はどうなるんだっ!」

勇者「ううう。俺としては、その……」

盗賊「勇者、はっきりしろっ!
女魔法使い「お兄ちゃんっ」
女僧侶「うー。……ラザニア」じーっ

勇者「なんで俺が……」

盗賊「……」むー
女魔法使い「……」じっ
女僧侶「……」に、にこっ

勇者「さ。行こうか。……む、ここがギアナの大穴か。
 さすがに底が見えないな。しかし、安心しろ。
 このCodexによれば、ちゃんと無事に落下できるはずなんだ」

盗賊「もうっ! 逃げるな!!」
女魔法使い「そうです、お兄ちゃんっ!」
女僧侶「勇者さん、はっきりしましょうよっ!」

勇者「うううぅ。勇者ってこんなので良いのかよぅ」



353 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 01:26:47.22 ID:pELn/jIo

――アリアハンの路地裏

子供「それでそれで? そのあと、どーなったの?」

吟遊詩人「どうにもならないよ。この話は、これでお仕舞い」
子供「えーへんだよー」「そーだよぉ」

吟遊詩人「勇者のこの世界での冒険はおしまい。
 この続きのお話は、別の世界で別の歌で話されるんだ」
子供「へんなのー」「うん、そだよ」「おかしー」

吟遊詩人「でも、そうだね」
子供「?」

吟遊詩人「例えば、ロマリア南の洞窟では、
 雨の日になると洞窟の中で楽しそうな焚き火と
 四人の笑い声が聞こえるとか」

吟遊詩人「カザーブでは冬の初め月に、神官服の女の子が
 すごく嬉しそうにおでんを買いに来るとか」

吟遊詩人「アッサラームで大人気の飲み物のロイヤリティが
 収められる愛と信頼のゴールド銀行から、たまーに
 引き落としがあるとか」

子供「わくわく」「どきどき」「……わぁ」

吟遊詩人「そういうのは噂であって誰も確認できないけどね」



356 : ◆rBavJPBtF2 [sage]:2008/10/27(月) 01:29:26.68 ID:pELn/jIo

子供「えー」「やっぱり嘘なんだ」「むー」

吟遊詩人「でも、君たちは虹の根元をしってるかい?」
子供 ふるふる

吟遊詩人「ギアナの大穴があった場所から
 虹は立ち上がるんだよ。まるで、地下世界で復活した
 ルビス様が祝福をくださるようにね」
子供「……」

吟遊詩人「それに、今度真っ暗な夜に、
 地面に耳をつけてひそかに聞いてごらん?
 幼い竜王がすやすや寝息を立てるのが聞こえるよ?」

子供「えーっ!?」

吟遊詩人「信じなくてもいいさ。でも、よぉく目を
 見開いてごらん? 不思議な木、喋る馬、焚き火の跡
 古い御話、Webの片隅に転がったLog、耳の長い詩人。
 それって、昔どこかにあった、忘れられてしまったけれど
 すごく格好いいお話の後日談なんだよ。
 そう考えると、少し幸せだよね」

子供「うんっ」「おみみ、ながいの?」「えへへ~」

吟遊詩人「それについてはもっともっと面白いお話が
 あるんだよ。それはね、遠い昔ロトという……」

「うう。勇気を出してスレを立ててみます」
 おわりっ!


僧侶3-411



ラストシーン


僧侶3-458-1
僧侶3-458-2
僧侶3-458-3
僧侶3-458-4
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